特集 予防接種
予防接種とこどもの健康―接種スケジュール
田中 敏博
1
1JA静岡厚生連 静岡厚生病院 小児科
pp.80-85
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102944
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はじめに
生まれたばかりの児とその保護者にとって予防接種は,1ヶ月健診の次に迎える公的かつ医学的なイベントである.つい数年前までは生後3ヶ月からの三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風:DPT)の接種が最初であることが一般的で,「3~4ヶ月健診のついでに初めての予防接種」ということも少なくなかったようである.長く続いたこの慣習は,2008年末のインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチン,次いで2010年初めの小児用肺炎球菌ワクチンの本邦への導入が潮目となって,大きく変化を求められる事態となっている.また,その後のロタワクチンの導入や生から不活化へのポリオワクチンの切り替え,さらにそれを含む四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風:DPT・DPT-IPV)の登場,小児用肺炎球菌ワクチンの7価から13価(PCV13)への切り替えと続き,かつてないスピードでの対応が迫られている現状である.
本稿では,感染症が比較的よく制御されているわが国の現状において,ともすれば見失いがちな予防接種の意義に着目して,そのスケジュールと,これと大きく関連する同時接種を中心に概説する.
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