連載 災害を支える公衆衛生ネットワーク~東日本大震災からの復旧,復興に学ぶ・12【最終回】
[対談]改めて,支援から協働へ―連載の最終回を迎えて
佐々木 亮平
1
,
岩室 紳也
2
1日本赤十字秋田看護大学看護学部看護学科
2公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.235-240
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102690
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ノウハウ,経験の限界を知る
岩室 「亮平さん」といつものように呼ばせてもらいますね.大学での本業の合間に月に1回から数回,陸前高田市へ片道200kmを越える道のりを通いながらの毎月の連載執筆,お疲れさまでした.「できる人ができることを」というわれわれのモットーで,本連載を通じて被災地からの情報発信をさせてもらいましたが,亮平さんにとって被災地支援は初めてではないですよね.
佐々木 入職2年目の平成11(1999)年に岩手県内の集中豪雨で,ダムの貯水量を越えて川が氾濫した地域を2日間,訪問して歩く災害支援を経験しました.平成16(2004)年の新潟県中越地震のときは,岩手県の第1班として発災10日目から1週間1人で入り,東京都や千葉県船橋市などと連携して地元の保健所,市町村の皆さんの支援をさせていただきました.ミーティングの仕方,方向性の付け方,全戸調査という経験は,今回も大変役に立ちました.ただ,今回の災害でこれらの経験が活きたのは,最初の3週間程度,3月いっぱいまででした.岩室先生と連絡がついた12日目(3月22日)頃には,既に先のイメージが付きにくい状況になっていました.
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