映画の時間
―誰もが知りたかった「アンネの日記」の壮絶な最後がここにある.―アンネの追憶
桜山 豊夫
pp.266
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102403
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今月はホロコーストの犠牲となったアンネ・フランクを描いた「アンネの追憶」をご紹介します.戦争は公衆衛生上,最大の災厄である,と言われます.現在も,大きな戦争にはなっていないものの,内乱や武力紛争が世界各地で続いている中,アンネ・フランクの生きた時代,彼女の問いかけるものについて考えるのも意義があると思います.
アンネ・フランクの生涯については,本誌読者の方であれば,よくご存知のことと思われます.アンネ・フランクの書いた「アンネの日記」を映画化した作品としては,1959年に製作されたジョージ・スティーヴンス監督の「アンネの日記」が有名です.アンネ役のミリー・パーキンスがあまりにも素晴らしく,ラスト近く,逮捕のため隠れ家に向かってくるゲシュタポのサイレンの音を聞き,アンネが覚悟を決めるシーンは今も鮮烈に記憶に残ります.
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