連載 災害を支える公衆衛生ネットワーク~東日本大震災からの復旧,復興に学ぶ・1【新連載】
公衆衛生版トリアージの実際
佐々木 亮平
1
,
岩室 紳也
2
1日本赤十字秋田看護大学看護学部看護学科
2公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.309-312
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102396
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連載のねらい
2011年3月11日に起こった東日本大震災は,人的なものはもちろんのこと,家屋,財産,職場,行政機能,さらには地域の絆と,生活のあらゆる面に被害が及んだ.発災直後から阪神・淡路大震災を機に発足したDMAT(Disaster Medical Assistance Team:災害派遣医療チーム)をはじめ多くの医療チームが被災地に入ったが,救急医療へのニーズはそれほど多くない一方で,公衆衛生活動のニーズは発災直後から大きく,1年以上たった今でもむしろ増大し続けている.一方で,被災地では,公衆衛生従事者自身も多く被災したため,マンパワー不足を補う支援もされたが,復興の目途が立たない状況が続いている.
本連載ではわれわれ筆者らが,震災後,岩手県陸前高田市に継続的に関わってきた経験をもとに,現地スタッフや筆者らの活動を通して,被災地が,発災直後からどのような公衆衛生活動を行ってきて,どのようなネットワークで公衆衛生面での支援を求めてきたのかを,われわれの反省を含めて検証し報告する.
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