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あとがき・次号予告
阿彦 忠之
pp.256
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102382
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意外なことですが,本誌で「アルコール関連問題」についての特集を組むのは,2000年以降初めてです.保健所等の公衆衛生の現場にとっては,昔も今も重要な問題ですが,わが国全体としても,地方の取り組みとしても,たばこ(喫煙)対策に比べて“気合い”が入っていなかったように感じます.
たばこ(喫煙)問題では,受動喫煙防止のための法的規制(健康増進法など),およびWHOの「たばこ規制枠組条約」の発効などが,期待した以上(?)の強い追い風となって,対策の厚みが増しました.公共の場所の禁煙化や喫煙率の低下などで,成果も上がっています.アルコール(飲酒)対策においても,法律に基づく社会的規制や国際条約などが必要と言われておりましたが,本号の中で繰り返し紹介されたように,WHOの「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」が2010年5月に採択されました.これは“歴史的な合意”と表現されるほどの戦略です.身近にいる保健所の保健師さんに聞いても,その周知度は極めて低かったのですが,本号を通じて,世界戦略の幅広い標的領域や,政策などへの関心が高まることを期待しております.それとともに,多岐にわたるアルコール関連問題への具体的な介入方法や,関係機関連携による予防活動などに拍車がかかることを願っております.
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