連載 働く人と健康・21―診療所医師の立場から・3
外国人労働者の健康を築く
沢田 貴志
1
1港町診療所
pp.786-789
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101903
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これまで外国人労働者のなかには様々な在留資格の人がいることや,労働災害・結核感染症・精神保健・母子保健など多くの分野で支援が必要であることを述べてきた.今回は,外国人労働者の健康を守るためにどのような取り組みが行われているかについて,いくつかの事例を示しながら問題提起をしたい.
図1は外国人の年齢調整死亡率である.日本人と比べて男性で1.08倍,女性で1.27倍死亡率が高いことが示されている.どのような因子が死亡率の上昇に寄与しているかは明らかではないが,外国人と日本人の間の健康格差が明瞭にあらわれている.筆者は外国人の医療にかかわる中で,医療アクセスを阻む要因として言葉の不自由さ,経済的な障壁,医療情報の不足,などが関係していると考えている.
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