特別寄稿
地域の感染症対策における感染症情報センターの課題―麻疹対策体制整備等を通して見えたもの
倉本 早苗
1,2,3
1石川県保健環境センター健康食品安全科学部(前)
2石川県感染症情報センター(前)
3石川県保健環境センター環境科学部(現)
pp.492-496
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101824
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はじめに
公衆衛生の領域において,“感染症”はいつの時代でも重要テーマの1つでした.医療が格段に進歩した21世紀においても,2002年のSARS,2003年のウエストナイル熱,2009~2010年にかけての新型インフルエンザと,次々と新しい感染症が登場してきました.このような背景の中,本来最も期待されるはずの地方感染症情報センターですが,果たしてどれだけその役割を果たせているのか気になります.
2001年の麻疹大流行1)を受け,石川県では2002年から全国に先駆けて麻疹対策体制整備を進め,一定の成果を得ることができました.保健環境センター(以下,当センター)もこのプロジェクトに関わりましたので,その過程を振り返り,地域の感染症対策における感染症情報センターの課題を考えてみたいと思います.
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