特集 現代の更年期
更年期障害とその特徴
更年期をめぐる相談・支援体制と助産師の活動
高橋 真理
1
1北里大学看護学部
pp.115-119
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101730
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更年期女性への健康支援は生涯の視点から
女性の健康は性周期を持つことから,1か月サイクル,生涯どちらにおいても,女性の心と身体に大きな影響を与え,その点男性とは大きく異なる.その影響は,初経を迎え,身体が成熟し,妊娠や出産を経て,閉経,エイジングに至るまで,女性の各ライフステージにおける女性ホルモンの状態,特にエストロゲンの分泌に大きく左右される.そして,各ライフステージの健康問題は,その後のライフステージの健康問題に連鎖しながら影響することが少なくないため,女性の健康支援には生涯の視点が重要である.また,特に思春期と更年期は,初経と閉経に伴う急激なホルモン環境の変化から,心身ともに不安定になりやすいなど心と身体とが密接に関係することから,看護支援においてはよりきめ細やかなケアが必要な時であり,移行期と呼ばれている(図1).
このように更年期はホルモン環境の変化と心理社会的な要因が複雑に絡み合い,女性にとって心身ともに様々な不調が見られる変わり目の時期である.が,一方,人生の折り返し点である大きな節目の時期でもあり,人生後半に向けての価値観や適応様式を変えていくことが求められる.したがって,必要な時には医療機関や地域の健康相談などを受けながら,様々な心身不調に対するセルフコントロール法を活用し,自らの健康の維持,閉経後の健康管理への主体的な健康姿勢を身につけていくことが,この時期には大切である.
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