特集 自治体中心の新たな健康政策―Health Impact Assessmentの導入
扉
pp.477
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101585
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わが国の健康政策の基本法とされてきたのは保健所法であります.保健所法は改正され,地域保健法へと脱皮しています.現在,法制度上は自治体が中心となった健康政策の時代に突入しています.しかし今,地域保健法が施行されてから10年を経ていますが,全国的には自治体が中心となった健康政策の状況が見えてきていない状況にあります.その原因は,わが国の政治行政制度改革が,地域保健制度の改革と連動して進められてこなかったことにあったのではないかと思われます.
牛歩の歩みではありましたが,平成11年に地方分権一括法が成立したことが転機となり,近年ようやく国と地方との関係が動き始めています.平成18年には地方分権改革推進法が成立したことにより,今や地方分権型社会への流れは止めることのできないものとなっています.政令指定都市,中核市など保健所を設置する市の数は年々増えてきています.しかし,わが国の自治体が本当に健康政策を担える存在として発展していくのかどうかについては,安心できない状況にあるのではないでしょうか.
本号では,健康政策の国際的な動向,ヘルシーシティーズ,ヘルスインパクトアセスメント,わが国の自治体の健康政策の現状など,自治体中心の新たな健康政策の発展につなげたいと考え,本特集を企画しました.
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