特集 地球温暖化対策―京都の約束
バイオ燃料―地球温暖化対策としての有効性への疑問と,食糧等との競合問題
佐久間 智子
1
1NPO法人「環境・持続社会」研究センター
pp.961-966
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101458
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植物性のデンプンや糖を蒸留したエタノール(アルコール)や,植物油や獣脂から粘性を取り除いたディーゼル(油)などのバイオ燃料が,ガソリンや軽油を代替する輸送燃料として世界各国で大量生産されるようになった(図1).
2003年以降の原油高によって,各国で原油依存からの脱却が切実な課題となり,同時に,コストの高いバイオ燃料にも商業化の道が開けたのである.CO2などの温室効果ガス(以下GHG)を削減するためにも,「カーボン・ニュートラル1)」な生物資源エネルギーで化石燃料を代替することが求められていることも背景となっている.
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