連載 予防活動のガイドライン・8
肝炎ウイルス
野村 恭子
1
1帝京大学医学部衛生学公衆衛生学教室
pp.652-655
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101385
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わが国ではB型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染者がそれぞれ120~140万人,100~200万人いると推測されている.このうちB型では10~15%,C型では70%前後が慢性肝疾患を有していると考えられており,肝がんへ移行する危険性がある.ウイルス肝炎治療はこの数十年で飛躍的に進歩し,著しく予後が改善,医療保険適用が拡大した.こうした背景の中,平成14年度に老人保健における保健事業に肝炎ウイルス検診が導入され,政府管掌健康保険等もこれに準じた.
本稿では肝炎スクリーニングに対する米国予防医療研究班の勧告を紹介しながら,わが国における肝炎対策について,EBMの観点から検討することを目的とする.
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