特集 スポーツと公衆衛生―地域の関係性の構築
扉
pp.641
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101118
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海外で活躍するスポーツ選手が多くなり,近年,世界が身近なものになってきています.世界のヒトとヒトとの距離は極めて近いものとなっているように感じられます.翻って目を日本国内に移すと,地域,職場,家庭内においては人々の関係性が脆弱化してきており,それを象徴するような悲惨な事件が毎日報道されています.暗い社会になったものだと絶望的な気持ちにさせられます.
しかし,一方でスポーツを通じた地域における人々の明るい社会づくり・関係性づくりの運動が,静かに進んできています.公衆衛生活動の原点は,早期死亡,傷病,障害を予防し,人々の健康増進のために,地域の総力を結集した,地域の人々による組織的な活動にあります.その生命線は地域の関係性の構築にあります.われわれが直面している健康づくり,疾病予防,介護予防問題も,地域のスポーツ振興により自然に解決できるのかもしれません.現在日本サッカー協会が進めている地域主義,子ども中心主義,人々に夢と希望を与えるという活動は,公衆衛生活動と相通ずるものがあります.
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