特集 歯周病予防からのヘルスプロモーション
歯周病と呼吸器疾患
米山 武義
1
1米山歯科クリニック
pp.396-399
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101036
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要介護高齢者の直接的死因の上位に位置する誤嚥性肺炎は,介護,医療の現場で大きな問題として取り上げられている.これは食物や口腔細菌を含む口腔・咽頭の分泌物を誤嚥(吸引)することにより引き起こされるといわれているが,一般的に在宅や施設に入所する高齢者の口腔内は,極めて口腔衛生状態が悪く,歯がある場合はほぼ例外なく歯肉炎ないしは進行した歯周病に罹患している.また,義歯がある場合も義歯の衛生管理がなされていないのが実状である.
しかし近年,口腔ケア,すなわち口腔衛生状態を改善することによって,本疾患の予防の可能性を示唆する研究報告がなされた1,2).しかしながら,要介護者の置かれている状況は様々であり,いまだ多くの課題を抱えている.そして在宅における歯科診療を含め,真剣に解決しなければならない課題を有している.
本稿では歯周病との関連において,老人性肺炎,特に誤嚥性肺炎の発生機序と予防について取り上げる.
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