特集 がん対策・2
発がんリスクの評価と今後の対策
2.環境化学物質の曝露による発がんのリスクと対策
内山 巌雄
1
1京都大学大学院工学研究科
pp.117-121
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100741
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私たちの身の周りには,化学製品があふれており,その主な原料となっている化学物質は約5万種にも及ぶ.これらの多種多様な化学物質のうち,数百種類が環境中に測定できる濃度になっており,影響にいき値がないと考えられる発がん性物質も含まれていることから,環境中の汚染物質による発がんのリスク評価と,被害の未然防止の対策が求められている.発がん物質の評価には,安全か危険かの二分法ではなく,「リスク」の概念に基づいたリスク評価が行われる.リスク評価は,わが国では基準や指針値等の策定に利用され,その役割はますます重要になっている.また最近問題が再燃したアスベストのリスク評価も課題となっている.このような環境中,特に大気中の有害化学物質のリスクとその対策について考えてみたい.
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