特別記事
[インタビュー]なぜ「乳がん・子宮がん検診」の見直しがなされたか?
祖父江 友孝
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1国立がんセンターがん予防・検診研究センター情報研究部
pp.964-969
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100524
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本誌 今年3月,厚生労働省から「老人保健事業に基づく乳がん検診及び子宮がん検診の見直しについて」の中間報告が出されました.今日はその中間報告のまとめに関与された祖父江先生に,乳がんと子宮がん検診の見直しが出された背景,具体的な変更点とその理由などをお聞きします.まず,乳がん・子宮がん検診の見直しが今なぜ必要だったのか,その辺りからお願いします.
祖父江 がん検診の最大の目的は,早期発見して死亡を防ぐことです.特に,乳がん,子宮頸がんのような若い世代で多いがんについては,有効的な方法がある場合,検診の位置づけはかなり重要になります.今回乳がん・子宮がん検診の見直しが行われた直接のきっかけは,マンモグラフィがあまり市町村に導入されていないという新聞報道からと理解していますが,来年から始まる老人保健事業の第5次計画の策定に関連して,指針の見直しを前倒しで行うためという流れがあったようです.昨年の12月から全6回で女性のがん検診についての検討会が開かれました.このとき基本となった視点は,「有効な検診を行う」ことです.すでに有効性の評価に関しては久道班注1)による日本における有効性の判断を示した報告書が出ていて(資料1),検討会はこの報告書を土台に話し合われました.
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