海外事情
カナダにおけるヘルスプロモーションの現状から学ぶこと
中山 貴美子
1
1神戸大学医学部保健学科
pp.806-810
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100486
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筆者は,保健師として活動後,大学で地域看護学の教育と研究を行っている.今回,現在取り組んでいる研究の一環として,2004年1月12~25日にカナダでヘルスプロモーションに関する研修に参加した.研修のコーディネータは,カナダのヘルスプロモーション研究の第一人者であるプライマリヘルスケアコンサルタント(British Columbia大学臨床教授)であるNora Whyte氏と,Victoria大学準教授のLynne E. Young氏にお願いした.研修先は,両大学とBritish Columbia州(以下BC州)の保健所等であった.
1978年のWHOによるプライマリヘルスケアでは,健康が基本的人権の1つであることが明示され,住民の主体的参加,地域資源の有効利用,適正技術の導入,保健活動における協調と統合の4原則が示された.その後,オタワ憲章(1986年)が発表され,ヘルスプロモーションの戦略は,健康的な公共政策づくり,健康を支援する環境づくり,地域活動の強化,個人技術の開発,へルスサービスの方向転換であり,健康の保持・増進のためには,個人の技術の開発とそれを支援する公共政策や環境づくりが重要であることが明示された.これらの中核に位置する理念が,住民参加による健康づくりである.
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