連載 赤いコートの女―女性ホームレス物語・8
伊波医師との出会い
宮下 忠子
1
1コミュニティワーカー制度を考える会
pp.335-337
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100076
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病院嫌いの波さん
波さんは受診を拒否するので,どんな病気を抱えているのかわかっていなかった.彼女は極度の病院嫌いときていた.出産の時は致し方ないとは言え,われわれの前に現れてから,一度として専門医の診察は受けていない.波さんの病気を把握しなければ,これから福祉サービスを受けるのは難しい.路上にこだわるのは波さんのワガママとしか受け取れられないからだ.しかしどう対応したらいいのかわからない.
ターミナル駅地域を中心にボランティア活動をしているグループの中に,月に1回精神科医と看護師が参加していて,波さんを心配しているとのことだった.間接的に伝わってきた内容では,波さんは,精神病院への入院の必要があるとのことだった.しかし,どのような病気で入院を必要としているのか,われわれにはわからなかった.
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