特別寄稿
医学研究の“包括同意”について考える
齋藤 有紀子
1
1北里大学医学部医学原論研究部門
pp.55-58
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100010
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国立がんセンターの「みなし同意」
国立がんセンター中央病院(野村和弘院長,以下,国立がんセンター)は,2004年春,初診患者に配布する文書の大幅な改訂を行った.
同センターは3年前(2002年1月)から,初診患者に「国立がんセンター中央病院で診療を受けられる患者さんへ―検査試料,生検組織,摘出標本などのがん研究への利用に関するお願い―」という文書を配布している.診療に伴って発生する患者の試料や診療情報を医学研究に利用することについて,予め患者から同意を得ておくことを目的とする,いわゆる「包括同意」と呼ばれるものである.
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