特集 トラブルの解きほぐし方と立て直し方
【Case 2】家族の誤解から損害賠償を迫られたトラブル—障害児家庭とスタッフとの狭間で
保坂 明美
1
1株式会社トラントユイット 訪問看護ステーションフレンズ
pp.437-439
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134170450300060437
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障害者の子を持つ家族は自分の子どもだけを見ていて、他のことが目に入らない場合が多い。世間との関わりが少なかったり、障害者の家族と思われたくないから子どもを隠してしまったりする母親がいる。言葉を発せず、目だけで意思表示している子と、その子の気持ちを完璧に代弁しているかのように母親が語る、そんなシーンを何度も見ている。そこでいつも違和感を感じている自分がいた。「母親の言葉が本当にこの子の意思なんだろうか」と。「違うのでは?」と思うことが何度となくあった。でも、大抵の場合において、親と子の関係は私たち(訪問看護)と子との関係より強固なものとなっている。
今回、私が経験した障害者とその両親が、担当したスタッフに対して言いがかりをつけて慰謝料を請求しようとした出来事を紹介する。私はスタッフを守るために顔は笑いつつ心では怒り、落ち着いて対応した。

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