あなたにとって作業療法とは何ですか?・第136回
あなたにとって作業療法とは何ですか?
酒井 浩
1,2
1藍野大学
2藍野大学大学院
pp.347
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540600040347
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万法一如を知り,その人に寄り添う
「万法一如」とは,あらゆる現象や変化(=万法)は本質的に一つの存在の現れ(=一如)であるという意味の仏教語です.この視座に立ったうえで作業的な解釈を加えると,その人におけるあらゆる作業の中に,一つの本質が存在するという解釈ができます.つまり,大切にする作業は,年齢や環境,心身の状態等,さまざまな要因によって常に移り変わります.しかし,どのような変化があって,どのような作業を行っていても,それはすべてその人の本質(=その人らしさ)が表出されたものであるといえます.
その人らしさは,言葉に表すのが難しく,言葉にすると伝わらないものです.しかし,その人に寄り添い,共に歩める作業療法士だからこそ,その人らしさを感じ・理解できるのではないでしょうか.作業療法士は,今この瞬間の作業だけを見るのではなく,移ろう変化の中に現れるその人らしさを見いだし,未来へとつながる選択と行為に寄り添います.そして,作業を通して「これでよかった」と思える場面に出会い共に喜ぶこと,それが作業療法の他に代えがたい魅力だと思っています.
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