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障害のある子どもについては,その一人ひとりの自立と社会参加を見据え,その時点での教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる,多様で柔軟な仕組みを整備することが重要です.このため,文部科学省としては,特別支援学校,特別支援学級,通級による指導,通常の学級といった連続性のある多様な学びの場の整備を進めており,そのいずれにおいても,障害のある児童・生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援が行われることが必要だと考えています.
特別支援学校は,障害の程度が比較的重い子どもを対象として,専門性の高い教育を実施しており,2024年(令和6年)5月1日時点で,約15万5,000人の幼児・児童・生徒が在籍しています.特別支援学級は,小・中学校において障害の種別ごとに学級が編制され,子ども一人ひとりに応じた教育を実施しており,2024年5月1日時点で,約39万5,000人の児童・生徒が在籍しています.また,通級による指導は,小・中・高等学校において大部分の授業を在籍する通常の学級で受けながら,一部の時間で障害に応じた特別な指導を実施するもので,2022年度(令和4年度)通年で,約19万8,000人の児童・生徒が指導を受けました.それぞれの子どもが,この多様な学びの場のいずれで学ぶかについては,市町村教育委員会による総合的な判断により決定されますが,その際,子ども一人ひとりの障害の状態や教育的ニーズ,本人および保護者の意見,教育学,医学,心理学等の専門的な見地からの意見,学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から判断することとされています(図 1).こうした中,特別支援教育を受ける児童生徒の数は,この10年で2倍程度に増加しており,その重要性は一層高まってきています(図 2).

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