連載 健康科学の未来を拓く—研究所紹介【新連載】
文部科学省放射線医学総合研究所
pp.81
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900596
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日頃の蓄積が何かの時に役に立つ
放射線医学総合研究所(放医研)は,放射線の人体への影響を研究するとともに,医学利用を進めるため1957(昭和32)年に科学技術庁の付属機関として発足した。現在,重粒子線がん治療装置(HIMAC)を利用したがん治療の臨床試験を行なっている。
昨年8月に開かれた日本災害看護学会では,放医研重粒子治療センター看護婦長の徳山憲子さんが1999年9月に起きたウラン加工施設での日本初の臨界事故による被ばく者の看護を報告して注目を集めた。「絶対に起きない」といわれていた事故が起きた時,入職以来20年間続けてきたシミュレーションなとの訓練が役立ったと徳山さんはいう。刻々と変わる状況の中で,各研究部門から次々とデータがネットワーク会議の場に集まってくる。目には見えない日頃の蓄積が何かの時に結集できる総合研究所としての底力を感じたという。その一翼を看護は,日頃臨床・研究を行ないながら担っている。
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