書評
—星野 雅洋(監修),古谷 英孝(編)—「—保存から術後まで—脊椎疾患のリハビリテーション[Web動画付]」
相澤 純也
1
1順天堂大学大学院
pp.455
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590040455
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リハビリテーション専門職・理学療法士,そして研究・教育者として心から尊敬している古谷英孝先生が編集した書籍が星野雅洋先生監修のもと発刊された.白と青を基調としたシンプルで洗練された光沢感のあるジャケットに「脊椎疾患のリハビリテーション」というタイトルが目に飛び込んでくる.ジャケットをめくると6名の執筆者リスト.脊椎疾患のリハビリテーション医療,理学療法を専門とする名の知れた臨床家ばかり.特筆すべきは全員が脊椎疾患の臨床・実践研究に携わっている点であり,このリストを見ただけで本書が単に“ほかから持ってきた情報”を整理したありふれた書籍ではなく,「脊椎疾患のリハビリテーションにおいて結果・成果を出すには具体的にどうするのか?」という読者の問いに答えてくれるものだろうと期待が膨らむ.続いて,星野先生,古谷先生による監修・編集の序があり,本書がこれまでの書籍と一線を画していることが確信できた.次に,新書の充実度をはかるために索引にジャンプし,収載されている用語の数々を見て,内容の網羅性,エビデンス,最新知見を実感した.
「第1章 脊椎の機能解剖」では脊椎はもちろん,関連の深い胸郭や骨盤帯の機能解剖学や運動学に関する知識がきれいなカラー図とともに集約され,続く第2章での理解をより深めるための土台を過不足なく提供している.まずはこの章をじっくり読むだけでも普段の臨床推論の内省につながるであろう.

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