特集 成人の知的発達症—精神医学の視点からできる支援
特集にあたって
福田 正人
1
1群馬大学
pp.1535-1536
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670121535
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「知・情・意」は,人の精神機能についての古くからの見方である。「情」と「意」について,精神医学は深い洞察を積み重ねてきているが,「知」についてはどうだろうか。いちど獲得された機能の衰えである認知症については,診療も研究も進歩が著しいのに比して,その獲得の困難である知的発達症については,精神医学としての検討は乏しい。「知的障害は,小児科では身体疾患の併存に,精神科では併存する精神疾患に主眼が置かれ,知的機能の支援は教育・心理・福祉機関に委ねられていたため,医学分野での研究や支援は検討されてこなかった」(本特集の古荘論文)。
知的発達症があると,「ストレス因に遭遇しやすく適切に対処しにくくかつ反応しやすい」(金生論文)ことについて,精神医学はどこまで理解を深めてきただろうか。「コミュニケーションについての合理的配慮,意思決定支援,意思形成支援」(會田論文)という視点を,精神医学はもてていただろうか。「強度行動障害者については,基本的な生命や心身の健康すら守れていない現実」(志賀論文)への貢献はあっただろうか。

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