増大号 超音波検査のパニック所見—いま知りたい、チェックポイントと緊急性
7章 腹部エコー領域:準緊急所見
大動脈瘤—胸部大動脈瘤,腹部大動脈瘤,内臓動脈瘤
髙井 洋次
1
,
笹木 優賢
2
1藤田医科大学病院放射線部
2藤田医科大学病院臨床検査部
キーワード:
パニック所見
,
大動脈瘤
,
内臓動脈瘤
Keyword:
パニック所見
,
大動脈瘤
,
内臓動脈瘤
pp.489-494
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200700040489
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病態の概要
大動脈瘤とは“大動脈の壁の一部が,全周性,または局所性に(径)拡大または突出した状態”と定義されている1).成人の大動脈の正常径としては,一般的に胸部で30mm,腹部で20mmとされており,壁の一部が局所的に拡張した場合,または直径が正常径の1.5倍(胸部で45mm,腹部で30mm)を超えて拡大した場合に瘤と称する.大動脈瘤は限局的な大動脈壁の拡大または突出であり,その形態が紡錘状であれば“紡錘状大動脈瘤”,囊状であれば“囊状大動脈瘤”と称される.大動脈瘤は存在部位,形態,原因,瘤の形状によって分類されている(表1)1).
大動脈瘤の大半が無症状であり,画像検査で偶発的に診断されることが多い.しかし,瘤の大きさによっては併発症状を呈することがあり,胸部大動脈瘤では咳や息切れ,嚥下痛,嚥下困難,嗄声,腹部大動脈瘤では持続的または間欠的な腹部拍動感や腹痛,腹部不快感を自覚することがある.一方で,瘤の破裂もしくは切迫破裂時には胸部,腹部,背部,臀部などに急激な疼痛を呈することが多く,破裂例ではバイタルサインの崩れを来す.

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