書評
Dr. 平澤欣吾の「こだわらない」EMR・ESD[Web動画付]—ESD時代のEMR論とナイフ別ESD攻略法—平澤 欣吾 著
加藤 元彦
1
1慶大内視鏡センター
pp.250
発行日 2026年4月20日
Published Date 2026/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570810020250
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著者の平澤欣吾先生(以下,親しみをこめて欣吾先生とお呼びする)は,私より少し上の世代に当たるが,個人的に深い信頼を寄せ,現在最も敬愛する内視鏡医の一人である.欣吾先生は言うまでもなく,日本を代表する卓越した技術を有する内視鏡医である.しかし真に特筆すべきはその,技術にとどまらない広い視野と科学的思考である.常に客観的な裏付けを重んじ,根拠に基づいた判断を冷静かつ謙虚に下す姿勢こそが,「平澤欣吾」という内視鏡医を最も的確に表している.
本書のタイトルに掲げられた「こだわらない」は一見するとマニアックな細部への執着を捨てた,標準化された没個性的な治療を思わせる.しかしその実,本書では術前診断から鎮静法,切除手技,トラブルシューティング,術後管理,果ては検体の取り扱いに至るまで,あらゆる局面において多様な手法の長短を熟知し,その時々に最適な選択を導く姿勢が全編に貫かれている.すなわち,特定の手技やデバイスに執着することなく,患者にとって最良の結果を導くために自由で柔軟な判断を貫くという,極めて高次元の「こだわり」の凝縮された一冊なのである.

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