増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅳ術後合併症とその管理
感染系
尿路感染症
三井 將雄
1
,
長﨑 直也
1
,
荒木 元朗
1
Masao MITSUI
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域腎泌尿器科学分野
pp.286-288
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110286
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症状・診断
●術後尿路感染症は骨盤内手術のみならず,尿道カテーテルを留置するあらゆる手術において起こりうる合併症の1つであり,急性膀胱炎,急性単純性腎盂腎炎,閉塞性腎盂腎炎,腎膿瘍,気腫性腎盂腎炎,急性細菌性前立腺炎,急性精巣上体炎など多岐にわたる.加えて,腎移植後1か月以降にはサイトメガロウイルス(CMV)やBKウイルス,アデノウイルス,Epstein-Barr(EB)ウイルスなどのウイルス感染症や真菌感染症も認められる1)が,本稿では術後1か月以内と定義される周術期感染症,特に細菌感染症について記載する.
●術後尿路感染症は術後早期から数週以降に発症しうる.多くはカテーテル留置に関連して起こり,留置中は1日あたり3〜7%の頻度で細菌尿が生じると報告されている2).

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