特集 泌尿器外傷は“忘れたころに”やってくる—「そなえよつねに」
企画にあたって
泌尿器外傷は“忘れたころに”やってくる—「そなえよつねに」
井上 高光
1
1国際医療福祉大学成田病院 腎泌尿器外科
pp.841
発行日 2026年10月20日
Published Date 2026/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523930800110841
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「そなえよつねに」というのは,筆者が中学生のころに活動していたボーイスカウトの標語です.登山やキャンプなど野外活動で遭遇するさまざまなサバイバルの知識を,普段から勉強して「備えておく」ことの重要性を強調していました.これは筆者が医師になったモチベーションにもつながった,生活の知恵の標語です.
泌尿器外傷は,泌尿器科医にとっては,あまり日常診療ではありません.泌尿器科臓器は比較的体の内側に秘められており,その外傷症例は,比較的「忘れたころに」やってきます.泌尿器科医の働き方はさまざまで,都市の三次救急施設,地方の県全体から症例が集まる県庁所在地の中核施設,都市近郊の市民病院,個人私立病院,開業医,それぞれの勤務形態に特徴的な泌尿器外傷が,それぞれの医師の専門分野にかかわらず,「忘れたころに」やってきて,救急隊や救急室医師から,あるいは後輩医師から連絡が入ります.またさらに,他科手術に際しての医原性の泌尿器外傷についても,術中から突然連絡があり,その場で即時の正確な対処が求められます.

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