連載 医療機関で起きる法的トラブルへの対処法・57
医療機関の事業譲渡
加古 洋輔
1
1弁護士法人 色川法律事務所
pp.72-76
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770850010072
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■1 はじめに
本連載の第35回「医療機関のM&A」★1で,医療機関の承継の総論,一般的なM&Aの手続きの流れ,事業譲渡と出資持分のある医療法人の持分譲渡の相違点の概略を説明しました.
厚生労働省の「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概要」によると★2,病院8,122施設,一般診療所104,894施設,歯科診療所66,818施設のうち,開設者が個人となる場合の施設数は,それぞれ107施設(病院総数の約1.3%),39,208施設(一般診療所総数の約37.4%),49,522施設(歯科診療所総数の約74.1%)とかなりのウェイトを占めています.第35回で説明したように,個人の病院・診療所の場合は,法人格がなく,保有する財産を含めた事業を譲渡するというスキーム(事業譲渡)を採るのが通常です.また,法人格がある場合でも,M&Aに当たり各種スキームのメリット・デメリットを勘案して,事業譲渡を採る場合もあります.そうすると,医療機関のM&Aに当たり,事業譲渡は相対的に重要な手法であると言えます.
そこで,本稿では,事業譲渡によるM&Aについて,より具体的に説明することにします.

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