FOCUS
侵襲性髄膜炎菌感染症
水阪 隆
1
1加古川中央市民病院臨床検査部
pp.506-508
発行日 2026年5月1日
Published Date 2026/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540050506
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髄膜炎菌
Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)はヒトを唯一の宿主とし,鼻咽頭に定着するグラム陰性双球菌である.本菌による感染症は髄膜炎,敗血症,関節炎,尿道炎などが知られている.健常者でも0.4〜0.8%程度の人が保菌していることが報告されており1,2),保菌者や患者からの飛沫感染によって伝播する.
本菌はヒツジ血液寒天培地,チョコレート寒天培地,Thayer-Martin寒天培地に発育する.同じNeisseria属菌でヒト感染症の重要な起因菌であるNeisseria gonorrhoeaeとは,血液寒天培地での発育が良好である点が異なる.生化学的性状ではグルコースとマルトースを分解し,γ-グルタミルアミノペプチダーゼ陽性であることが同定のポイントとなる.主なNeisseria属菌との鑑別に有用な生化学的性状を表1に示す3).また,近年普及しつつある質量分析装置では本菌と他のNeisseria属菌が誤同定される可能性が報告されており4),同定には生化学的性状も含めた総合的な判断が重要である.

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