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あとがき・次号予告
八鍬 恒芳
pp.1056
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530091056
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春から初夏にかけての学会シーズンが怒濤のように過ぎ去り,少しゆったりした気持ちで本号の各原稿を拝読しています.外では紫陽花がさわやかに咲き誇っています.紫陽花には「辛抱強さ」という花言葉がありますが,これには江戸時代の長崎で活躍した医師,シーボルトの逸話が関係しているのだそうです.ご興味のある方はちょっと調べてみると面白いと思います.さて,今号の技術講座では,AIを活用したWSIによる「デジタル病理」の最新動向や,NGSを用いた肺がん診療,日常業務における精度管理のピットフォールなど,現場の課題に即した内容が記されています.心エコー図の心筋症診断では,病態の全体像を理解し,推理しながら有意な所見を紐解いていく手法が詳細に解説されています.この「病態の理解力と推理力」に関しては,私が参加した学会でも同様の企画があり,今後,AIの発展とも相まってさらに重要な要素になると思いました.
MINOCA(冠動脈非閉塞性心筋梗塞)や胆石症,抗リン脂質抗体症候群といった疾患に関する内容も,各種検査の意義を再認識させてくれる内容です.

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