増大号 極める!呼吸機能検査 患者を診る力が成功のカギ
2章 適切な精度管理とピットフォール
適切な精度管理
松岡 志保
1
1慶應義塾大学病院臨床検査技術室臨床検査科
キーワード:
精度管理
,
気流型
,
気量型
Keyword:
精度管理
,
気流型
,
気量型
pp.130-134
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530020130
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はじめに
近年,ISO 15189認定の広がりとともに,生理検査における精度管理は必須事項として認識されつつある.特に呼吸機能検査における適切な精度管理は測定結果の信頼性を担保する上で必要不可欠である.毎日,精度管理を実施し,その記録を残しておくことが,装置の異常や不具合を早期に検出・発見することにつながる.日々の精度管理は装置の点検・保守の面でも非常に重要である.
本稿では各項目における精度管理について述べるが,最も多くの施設が実施しているスパイロメトリーの精度管理を重点的に解説する.なお,本稿で述べる精度管理方法は日本呼吸器学会の「呼吸機能検査ハンドブック」1)で推奨されている内容に基づいている.国際共同治験などでは米国胸部学会(American Thoracic Society:ATS)/欧州呼吸器学会(European Respiratory Society:ERS)のガイドラインに即した精度管理が求められる場合もある.
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