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書評 学生や新人が「発達障害かもしれない」と感じたら—それぞれの困りごとから考え、ともに成長する学習者支援
篠崎 惠美子
1
1人間環境大学看護学部
pp.660
発行日 2025年12月25日
Published Date 2025/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660060660
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発達障害の困りごとから始まる支援の形
近年は、看護や教育の現場に限らず、「発達障害」という言葉を耳にする機会が増えている。私たちの周りには、「発達障害だから」と特別視されている学生や新人看護師が少なくない。しかし、本当に発達障害といわれる人が増えたのだろうか。本書を読み進めていくうちに、私は「発達障害」という言葉を安易に使っていないか、困った学生やスタッフに遭遇すると、「発達障害かも……」と考えてしまっていないかと自問自答した。そもそも本書を手にとったきっかけも、発達障害の学生に対応するヒントが欲しかったからである。
著者は“学生や新人が「発達障害かもしれない」と感じたら”というタイトルのとおり、発達障害の診断を受けた人だけに限定した解決策を示しているわけではない。それぞれの困りごとを抱えた学習者としてとらえ、「誰が何に困っているのか」を教育者の視点だけでなく、学習者の視点からも考える学習支援を提案している。
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