特集 精神科×内科—患者と家族を支えるために知っておきたい見えない“こころ”のこと
患者心理を理解し診療に活かす
精神科との併診に際しての留意点
和田 周平
1
,
岩田 邦幸
1
,
池田 匡志
1
1名古屋大学大学院医学系研究科精神医学講座
キーワード:
薬物相互作用
,
併用禁忌
,
内科主治医と精神科主治医の連携
Keyword:
薬物相互作用
,
併用禁忌
,
内科主治医と精神科主治医の連携
pp.989-993
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620070989
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
◎抗精神病薬は体重増加や血糖値の上昇のリスクがあり,特にクエチアピンとオランザピンは糖尿病の患者では禁忌である.
◎気分安定薬である炭酸リチウムは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や利尿薬との併用で血中濃度が上昇しリチウム中毒を起こしうることに注意する.
◎抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)はNSAIDsや抗血小板薬,抗凝固薬との併用で出血リスクが増すことに注意する.
◎ベンゾジアゼピン系薬剤は転倒や認知機能低下のリスクがあり,依存や乱用の懸念もあるため処方は避けることが望ましい.
◎スルピリドやチアプリドは高プロラクチン血症や鎮静の副作用があり,処方は避けることが望ましい.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.