画像診断 38巻10号 (2018年8月)

特集 肝の画像診断update

序説 小林 聡

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肝実質の形態異常ならびに肝血管系の先天異常には,肝の発生過程における何らかの異常が関与している.したがって,肝の形状異型や様々な肝血管系の先天異常を画像学的に診断するには,まずは肝の発生学を十分知る必要がある.本稿では,発生学の観点からみた肝の解剖学的変異および先天異常について,症例を供覧しながら解説する.

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慢性肝炎や肝硬変は線維化の進行に伴い,肝の特徴的な形態変化を来す.また,肝転移に対する化学療法において薬剤性肝障害も少なからず認められ,一部は特徴的な画像所見を呈すことが知られている.本稿では,これらについて臨床像や典型的な画像所見を概説する.

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良性肝細胞性結節は,肝内の血流不均衡によって形成される一連の類縁疾患と考えられている.本稿では,良性肝細胞性結節に関して,形態学的分類である1995年のIWP分類,疾患概念の変遷,遺伝子情報に基づいた2010年の新WHO分類,それを踏まえた画像診断について解説する.

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肝細胞癌の画像診断,特に他の肝腫瘤との鑑別とThe Liver Imaging Reporting And Data System (LI-RADS) について述べる.専門医を目指す放射線科医を対象にHCCと他の肝腫瘤との鑑別に関する基本的事項を解説し,LI-RADSに関する特徴と最近の話題を概説する.欧米における肝細胞癌例の増加を背景にした画像診断とRadiology reportの標準化の流れに伴い,欧米誌におけるLI-RADSに関する論文が近年増加し,本年になり多数の言語に翻訳がなされたのに加え,American Association for the Study of Liver DiseasesがLI-RADSの内容を2018 Practice Guidanceに採用したことから,LI-RADSは肝腫瘤の画像診断における診療,研究,教育の世界的なプラットフォームのひとつになると予想される.

肝細胞腺腫の亜分類とMR診断 原留 弘樹
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近年の分子生物学的解析の進歩を背景に,肝細胞腺腫(HCA)は,WHO分類で4亜型に分類され,個々の生物学的挙動が異なることも明らかにされている.臨床上,HCAの亜分類診断は治療方針決定の際に重要であり,MR診断が担う役割は大きい.そのため放射線科医は,各亜型の画像的特徴について理解を深めておく必要がある.

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近年の肝幹細胞および肝細胞・胆管細胞の分化の研究の進歩により,これらを由来とする肝悪性腫瘍の発生の理解がより深まっている.特に,細胆管癌,混合型肝癌,胆管形質を示す肝細胞癌や低分化肝細胞癌などの特殊な肝腫瘍では,これらの発生を理解し,正確な画像診断につなげることが重要である.

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肝内胆管系は肝細胞から産生された胆汁を流す導管である.その源流からみると,肝内胆管は肝細胞で囲まれた毛細胆管,門脈域周囲のHering管,細胆管,そして門脈域内の肝内小型胆管,肝内大型胆管と分類できる.肝内胆管を由来とする病変として,線維性嚢胞性肝疾患(Caroli病,先天性肝線維症など),肝内胆管癌,肝内結石症,硬化性胆管炎などが挙げられる.本稿では,肝内胆管の発生と解剖,そして肝内胆管に関わる疾患について概説する.

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肝領域で注目されている最新のMRI撮像技術は,高画質高時間分解能ダイナミックMRIに関するもの,拡散強調像に関するもの,脂肪抑制や鉄・脂肪定量に関するものなど多岐にわたる.CTではdual-energy CTが様々な形で診断に応用されている.本稿では,これらについて概説する.

すとらびすむす

南の島の赤い鳥−その後 村山 貞之

画像診断と病理

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症例は70歳台,女性.下腹部痛のため,前医を受診し,経腟超音波検査にて91×81mm大の腫瘍を指摘された.腫瘍マーカーは正常範囲であった.精査のため,当院紹介となった.

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tree-in-budは活動性の二次結核に特異的な所見とありますが,類似の所見は他の細気管支病変でも認められることがありますか? tree-in-budにどのような所見が伴っていれば画像上,二次結核を強く疑うレポートを作成すべきですか?

肺気腫とLAMの区別に迷うことがありますが,明確な区別法がありますか?

Picked-up Knowledge from Foreign Journals

消化器癌とRadiomics 岡田 吉隆
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MRIによる直腸癌術前化学放射線療法の効果判定

食道癌のリンパ節転移の診断

4型胃癌と胃悪性リンパ腫の鑑別

CASE OF THE MONTH

Case of September 伊原 研一郎 , 伊東 克能
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40歳台,女性.主訴:皮膚・粘膜びらん. 現病歴:口唇・口腔・陰部の粘膜びらん,両手足の皮膚びらん・潰瘍があり,当院皮膚科で精査され,天疱瘡と診断された. 既往歴:特記事項なし. 血液生化学検査:特記事項なし. スクリーニング目的に撮影された造影CTと,追加で撮像されたMRIを示す(図1,2).考えられる診断は何か?

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50歳台,男性.主訴:呼吸困難感. 現病歴:約2か月半前に仕事の都合で当地に転居.約1か月前より労作時呼吸困難が出現,増強したため,約2週間前に前医を受診.COPDとの診断にて加療されるも,症状は増悪傾向であった.前医を再診したところ,SpO2 90%未満と低酸素血症がみられたため,当院紹介入院となった. 既往歴:30歳台,急性肺炎.職業:化学プラントの設計・建設,粉塵曝露の可能性あり. 生活歴:喫煙30本/日(1か月前より禁煙),そのほか住居環境など含め特記すべき事項なし.薬歴:前医よりテオフィリン徐放錠,ツロブテロール経皮吸収型テープ,フルチカゾンプロピオン酸エステル+ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤,チオトロピウム臭化物水和物吸入剤(それ以前は特になし). 身体所見:体温36.2℃,血圧112/75 mmHg,脈拍98/minリズム整,呼吸数24/min,SpO2 89%(room air),両下肺野背側でfine crackles聴取,そのほか特記すべき所見なし. 主な血液生化学所見:Hb 16.3g/dl,白血球 7050/μl(好中球82.1%,リンパ球15.0%,好酸球0.7%),CRP 4.96mg/dl,LDH 770U/l,KL-6 4722U/ml. 当院紹介時に撮影された胸部単純X線写真(図1)および胸部HRCT(図2)を示す.最も考えられる診断は何か?

他科のエキスパートにお尋ねします−ここを教えていただけますか?

産婦人科編 桑原 章 , 竹内 麻由美
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妊娠に合併した骨盤部腫瘤の取り扱いや注意すべき病態,診断が重要となる疾患がありましたら,教えてください.

妊娠に関連して発生する非腫瘍性の卵巣病変について,どのようなものがあるか教えてください.また,診断のポイントについてもお願いします.

子宮病変でも,妊娠に関連して発生する病態があれば教えてください.また,診断のポイントについてもお願いします.

Refresher Course

子宮動脈塞栓術前の非造影MRA 森 健作
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子宮動脈塞栓術は,有症状子宮筋腫に対して子宮全摘を考慮中のすべての患者に対し,選択肢として提示されるべきである.手技成功の鍵は,子宮動脈の起始部の解剖学的位置や,3次元的形態および卵巣動脈の側副路としての発達の有無を事前に把握することであり,骨盤部の非造影MRAは簡便かつ有用な術前検査法である.

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38巻10号 (2018年8月)
電子版ISSN:2432-1281 印刷版ISSN:0285-0524 学研メディカル秀潤社

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