チャイルドヘルス 26巻9号 (2023年9月発行)

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特集　知ってる？　子どものアドボカシー

企画の言葉伊藤　健太 26巻9号 , 2023年9月 , pp.645-645

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　アドボカシーという言葉に出会ったのは，学生の頃のことです。初期研修をすることになる病院の見学中に，小児科部長の先生が「アドボカシーって知ってる？　子どもの代弁者ということだよ」と教えてくださりました。アドボカシー＝子どもの代弁者というぼんやりとした印象のまま，10数年過ぎましたが，それについて学ぶ機会はありませんでした。そして2020年，新型コロナウイルス感染症（COVID-19）流行です。そのなかで，学校の一斉休校がいきなり決定されたとき，「子どもって弱いな」と痛感し，同時に頭の中にアドボカシーという言葉が強烈に鳴り響きました。小児感染症専門家として，COVID-19流行の下，子どものアドボカシーが必要な場面を多く経験しました。すると，いつのまにか，子どものアドボカシーは，小児科医の私にとって何よりも重要な核となり，小児科医のアドボカシーを学ぶために，アメリカに留学する羽目になりました。

1　なぜいま子どものアドボカシーなのか？伊藤　健太 26巻9号 , 2023年9月 , pp.646-648

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アドボカシーとはなんでしょうか？　ただ「代弁」や「権利擁護」という訳語だけでは，十分に説明することが難しいアドボカシーという言葉について，なぜいま子どもに必要なのかを解説しました。

2　小児科医と子どものアドボカシー～病院勤務医の視点から～利根川　尚也 26巻9号 , 2023年9月 , pp.649-652

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子どものアドボカシーについて，病院勤務医の視点から，その役割と求められる能力「子どもの声を拾い上げる能力」「協働する能力」「教育する能力」について，今後の課題も踏まえて考察します。

3　小児科医と子どものアドボカシー～地域医療の視点から～関口　志乃 , 工藤　紀子 , 仲島　大輔 26巻9号 , 2023年9月 , pp.653-656

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西真岡こどもクリニックでは，子どもの代弁者となるべく，子どもが安心して意見をいえる環境づくりを工夫し，自分の気持ちを伝えるすべをサポートしながら，学校や行政と対話を図ってきました。その奮闘の一部をご紹介します。

4　アメリカ小児科レジデント研修におけるアドボカシー教育轡田　志穂 26巻9号 , 2023年9月 , pp.657-659

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アメリカでは小児科レジデント研修中にアドボカシーについて学び，実践することが必須となっています。小児科レジデントへのアドボカシー教育の実際とその背景を，筆者の経験を含めてご紹介します。

5　虐待と子どものアドボカシー小橋　孝介 26巻9号 , 2023年9月 , pp.661-664

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子ども虐待対応では，子どもを主語に子ども虐待を捉え，より早期に地域での支援につなげていくことが私たちには求められています。まさにこれは子どもの声を聴き，つなげていくアドボカシーにほかなりません。

6　福祉と子どものアドボカシー堀　正嗣 26巻9号 , 2023年9月 , pp.666-671

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福祉の領域で制度化されることになった子どもアドボカシーは，措置など人生を左右する重大な決定の際に子どもの意見が尊重されるように支援するのが大切な役割です。子ども主導，エンパワメント，独立性，守秘，平等，子ども参画の6原則があります。

7　保健と子どものアドボカシー堀内　清華 26巻9号 , 2023年9月 , pp.673-675

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日本における子どもの保健は，母子保健としてしっかりとした提供体制が整い，これまで子どもの健康に貢献してきました。しかし，保護者のニーズに重点が置かれがちであり，今後は，子ども中心の保健サービスへとシフトを進めるため，前線で子どもにかかわる人たちが声を上げていくことが求められます。

8　教育と子どものアドボカシー住友　剛 26巻9号 , 2023年9月 , pp.677-680

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教育は子どもにとって大切な人権のひとつですが，同時にその教育の場である学校でさまざまな子どもの人権侵害が起こりえます。「教育と子どものアドボカシー」というテーマには，実は大人と子どもの関係の諸課題が詰まっています。

9　貧困と子どものアドボカシー武内　一 26巻9号 , 2023年9月 , pp.681-684

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子どもの貧困の解決は，子どもの権利擁護につながります。社会，環境，教育，家族の視点から子どもの健康にアプローチする「社会小児科学」の視点での皆さんの実践は，子どもたちをアドボケートする大切な活動です。

10　これからの子どものアドボカシー～子どもの医療・保健にかかわる専門職が子どものこえを社会の声にするために～余谷　暢之 26巻9号 , 2023年9月 , pp.685-688

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小児医療・保健にかかわる専門職が一緒になって子どものこえをすくい上げ社会の声にしていくことで，子どものこえを実際の医療・保健に反映するしくみの構築につながる可能性があります。

Myオピニオン

「こどもまんなか」という発想の転換自見　はなこ 26巻9号 , 2023年9月 , pp.641-641

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　少子高齢化が国難ともいえる事態にある日本において，子どもたち達の健やかな成長を社会全体で支えていくことの重要性について異論をさしはさむ余地はないだろう。

連載　奮闘するパパ，揺れるパパ～子育ての現代と神話の荒波にもまれる父親～・第9回

父親の母親化⁉～授乳以外は何でもできるパパがいい？～渡邊　大地 26巻9号 , 2023年9月 , pp.690-692

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子育ては夫婦で協力してするもの，ということは一般的になりつつあるいま，子育てを頑張りたい父親も増えています。しかしその際，世間にはびこる「性別役割分業」「子育て神話」などに戸惑う方も少なくありません。そんな迷える父親にどのように向き合っていったらよいのでしょうか？　渡邊先生に事例を紹介いただきながら，一緒に考えましょう！

連載　～子どもの今と将来を支える～社会保障制度と関連するしくみ・第11回

成年後見制度渡部　伸 26巻9号 , 2023年9月 , pp.694-696

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子どもが障害をもったり，貧困のリスクに陥ったり等した際には，本人や家族を支えるさまざまな社会保障制度があります。でも，どのようなときにどのような制度を使うことができるのでしょうか？　今現在と将来も含めて，子どもや家族を支援するしくみを渡部先生に幅広く紹介していただきます！

連載　子どもに漢方薬を使ってみよう・第21回

夜泣き，夜尿症，発達障害に使える漢方薬中島　俊彦 26巻9号 , 2023年9月 , pp.698-699

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漢方薬は，大人だけでなく子どもの困った症状にも使えます。さまざまな場面で活躍する漢方薬について，中島俊彦先生にやさしく解説いただきます！

連載　子どものための本屋さん・第20回

くじけない絵本たち茅野　由紀 26巻9号 , 2023年9月 , pp.702-705

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絵本はたくさんの魅力が詰まった，だれもが楽しめる本ではないでしょうか？　そんな絵本について，子どもの本専門店「ブックハウスカフェ」店長の茅野由紀さんに，書店員さんの視点でさまざまな切り口からお話いただきます。

連載　教えて！　あなたの好きなこと

教えて！　あなたの好きなこと 26巻9号 , 2023年9月 , pp.706-707

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子どもたちはどんなことに興味をもっている？　読者の皆さまも気になるのではないでしょうか？　アンケートに回答してくれた子どもたちのリアルな声をお届けします！　子どもとコミュニケーションをとる際の参考にしていただけましたら幸いです。

育児Q&A

日中眠らない子坂本　昌彦 26巻9号 , 2023年9月 , pp.708-709

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Q　日中ほとんど眠りません。眠ったとしても，抱っこ紐で散歩しているときに15分くらいです（屋内に入ったり，立ち止まると起きます）。ベビーカーに乗せると泣いてしまい，眠りません。夜間は添い寝で授乳しながら寝かしつけ，3～4時間ごとに授乳をしています。どうすれば寝てくれるのでしょうか。また，抱っこ以外のベビーカーやベッドで寝かせるにはどうすればよいでしょうか。（0歳6か月，女児）

海外文献の紹介

小児期のポジティブ経験は，成人になってからの精神的・身体的健康状態をよくする榊原　洋一 26巻9号 , 2023年9月 , pp.711-711

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　小児期の逆境体験（Adverse Childhood Experiences：ACEs）が，成人になってからの精神的・身体的健康に悪影響を及ぼすことはよく知られており，本連載でも以前に取り上げた。また，ACEsによる健康への悪影響を打ち消す作用のある小児期のポジティブ経験（Positive Childhood Experiences：PCEs）があることもこれまでの研究で明らかになってきた。

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目次 26巻9号 , 2023年9月 , pp.642-643

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本号掲載広告一覧 26巻9号 , 2023年9月 , pp.692-692

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書評『発達障害の診断と治療　ADHDとASD』久保田　雅也 26巻9号 , 2023年9月 , pp.701-701

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　本書は榊原洋一，神尾陽子両氏により，注意欠陥・多動症（ADHD）および自閉スペクトラム症（ASD）における障害概念の歴史的経緯と診断分類，ライフコースに沿った経過，疫学/併存症，アセスメント，治療が最新のエビデンスを提示しながら詳説された標準テキストである。ADHD/ASDの啓蒙書は多数あるが，臨床現場に立ちながら，多数のデータに目を配ったうえで，役に立つこつも併せて記載された書物は多くはない。

投稿について 26巻9号 , 2023年9月 , pp.713-713

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アンケートシート 26巻9号 , 2023年9月 , pp.715-715

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バックナンバー 26巻9号 , 2023年9月 , pp.717-719

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次号予告／編集後記 26巻9号 , 2023年9月 , pp.720-720

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基本情報

チャイルドヘルス
26巻9号
(2023年9月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：1344-3151 診断と治療社

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第7位企画の言葉坂本昌彦チャイルドヘルス 28巻 2号 pp. 85-85 (2025年2月1日) 診断と治療社
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第9位 7　SNSを活用した子どもの健康支援～医療者の役割と課題～今西洋介チャイルドヘルス 28巻 2号 pp. 112-115 (2025年2月1日) 診断と治療社
第10位教えて！　あなたの好きなことチャイルドヘルス 28巻 2号 pp. 144-145 (2025年2月1日) 診断と治療社

投稿規定

チャイルドヘルス 26巻9号 (2023年9月発行)

特集 知ってる？ 子どものアドボカシー

Myオピニオン

連載 奮闘するパパ，揺れるパパ～子育ての現代と神話の荒波にもまれる父親～・第9回

連載 ～子どもの今と将来を支える～社会保障制度と関連するしくみ・第11回

連載 子どもに漢方薬を使ってみよう・第21回

連載 子どものための本屋さん・第20回

連載 教えて！ あなたの好きなこと