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特集 周産期診療コツと落とし穴
Ⅰ.母体・胎児編
(7)妊娠中・後期〔胎児〕
55.前置血管は妊婦健診のスクリーニング項目に入れる
長谷川 潤一
1
Junichi Hasegawa
1
1聖マリアンナ医科大学大学院医学研究科周産期発生病態解明学分野
キーワード:
前置血管
,
臍帯卵膜付着
,
超音波スクリーニング
Keyword:
前置血管
,
臍帯卵膜付着
,
超音波スクリーニング
pp.186-188
発行日 2026年10月10日
Published Date 2026/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002870
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はじめに
正常の臍帯は胎盤中央かやや側方に付着するが,胎盤辺縁や卵膜に臍帯が付着し,ワルトン膠質の欠如した遊走血管(卵膜血管)を認めるものが臍帯卵膜付着である。さらに,この卵膜血管が内子宮口付近を走行するものを前置血管という。
卵膜付着はワルトン膠質を欠く脆弱な卵膜血管を有するので,臍帯血管が容易に子宮収縮や胎動による圧迫の影響を受けて臍帯血流不全となり,胎児機能不全となりやすい。また,卵膜血管は脆弱であるため,破水時に臍帯血管が断裂することもある。さらに,その卵膜血管が内子宮口上を走行する前置血管は,破水時の臍帯血管の断裂,胎児死亡のリスクがきわめて高い。前置血管の診断なく経腟分娩すれば,ほぼ胎児死亡に至る。分娩前に超音波で前置血管が診断されていた場合は97%の児生存率であるのに対し,診断されていない場合は44%であるといわれている1)。前置血管の児を救うためには,超音波診断と陣痛発来や破水が起きる前の帝王切開が必要である1~3)。

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