投稿論文 症例研究
箱庭でインターネットゲームの世界を表現し続けたゲーム依存傾向のある不登校の思春期男子例 インターネットゲームと箱庭、夢のイメージ体験に注目して
宮崎 健祐
1
1愛成会弘前愛成会病院
キーワード:
家族
,
感情
,
頭痛
,
専門職間人間関係
,
腹痛
,
無意識
,
心理学的面接
,
夢
,
不登校
,
インターネット依存
,
ゲーム障害
,
箱庭療法
Keyword:
Unconscious, Psychology
,
Abdominal Pain
,
Dreams
,
Emotions
,
Family
,
Phobic Disorders
,
Play Therapy
,
Interview, Psychological
,
Headache
,
Interprofessional Relations
,
Technology Addiction
,
Internet Addiction Disorder
pp.365-375
発行日 2022年6月5日
Published Date 2022/6/5
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身体症状、不登校、インターネットゲームへの依存傾向などを主訴に来院した思春期男児の治療経過について報告する。言語的なやりとりでは治療関係が深まる様子がみられなかったため箱庭療法を導入した。箱庭では自らが没頭しているゲームの世界を表現することを繰り返していたが、そのゲームの世界に仮託して破壊と再生と思われるようなイメージが表現されていた。治療が進展するにつれて自らの気持ちや考えを表現するようになり、身体症状の訴えも改善していった。学校は通信制高校へ転校し、ゲームへの没頭も和らいでいった。また、箱庭療法開始後に夢をみるようになり、そのイメージを自ら体験し、その意味を主治医と話し合う中で自らの不登校について洞察するようになった。本症例を通して、インターネットゲーム依存の傾向のある症例においても、患者・治療者関係を基盤にしたアプローチは不可欠だと考えられた。
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