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周産期生理学を踏まえて診る胎児心拍数モニタリング
村田 雄二
1
1社会医療法人生長会医学教育センター長/周産期医療研究所長
pp.18-21
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.09.03_0018-0021
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超音波や内視鏡などの科学的な方法論をもたなかった頃は,子宮内という特別に隔離された環境にいる胎児の診断・治療を行うことは至極困難であった。社会医療法人生長会医学教育センター長/周産期医療研究所長の村田雄二先生が産婦人科医の道を歩み出した1960年代でも,胎児死亡の診断は難しかったそうだ。その頃から,分娩中に胎児心拍数の連続的監視が可能となった。以後,またたく間に胎児心拍数モニタリングは胎児の健康状態の診断法として世界中に広まり,現在では周産期医療のスタンダードになっている。今や,胎児心拍数モニタリングは分娩に関わる医師,助産師のすべてが習熟しなければならないなか,マニュアル化が進みつつあるが,村田先生は「胎児心拍数パターンの分類は,これまでの多くの研究者による生理学的な裏打ちがなされて現在に至っており,単純にマニュアル化できるものではない」と警告を鳴らす。その真意を理解するために,本稿では周産期医学の黎明期時代から胎児心拍数モニタリングの発展と深く関わってきた村田先生に,胎児心拍数モニタリングのこれまでとこれからについて語っていただいた。
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