特集 ART―先端技術の理論とエビデンス―
Th1/Th2細胞比の測定と免疫療法
黒田 恵司
1
1杉山産婦人科新宿 難治性不妊症診療部長/順天堂大学産婦人科学講座非常勤講師
キーワード:
タクロリムス
,
ビタミンD
,
不育症
,
不妊症
,
ヘルパーT細胞
Keyword:
タクロリムス
,
ビタミンD
,
不育症
,
不妊症
,
ヘルパーT細胞
pp.59-65
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.29.02_0059-0065
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妊娠は,男性由来の遺伝子を含む胚を受容する母体の免疫寛容が必要で,その免疫異常は胚の拒絶につながる。反復妊娠不成功はTh1/Th2細胞比を上昇させる可能性があり,特に4回以上胚移植し妊娠しなかった着床不全と2回以上流産した不育症は,Th1有意のTh1/Th2細胞比高値と関与し,タクロリムスを含む免疫療法のターゲットとなり得る。また,ビタミンD欠乏はTh1/Th2細胞比高値と関与し,適度なビタミンD補充は免疫療法の一部としても重要である。さらに反復妊娠不成功でTh1/Th2細胞比が上昇する前に,患者を妊娠・出産に導くことも医療従事者にとって重要である。「KEY WORDS」タクロリムス,ビタミンD,不育症,不妊症,ヘルパーT細胞
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