学会レポ―ト
オンサイトの学会の愉しさ ~第7回日本骨免疫学会レポート~
藤尾 圭志
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1東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学 教授
pp.38-39
発行日 2023年8月10日
Published Date 2023/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.40.02_0038-0039
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第7回日本骨免疫学会は2022年6月29日から7月1日に、沖縄本島のブセナテラスの万国津梁館で開催された。日本骨免疫学会は、骨免疫学の世界的なパイオニアである東京大学免疫学教室の高柳広先生を理事長として、2014年に立ち上げられた学会である。骨免疫学会という名前から、よく「骨に関連する免疫応答の研究」しか対象にしない学会だと思われがちである。しかしながら実際には「骨のみの研究」でも「免疫のみの研究」でも対象に含まれる、とても幅と懐の広い学会である。この学会の一つの特徴は基本的に沖縄で開催されることである。一般に参加者の多い学会は広い会場のある大都市でしか開催できなくなっている。骨免疫学会は良い環境のなかで、さまざまな学問分野や企業の研究者が境界を越えて議論することをコンセプトにして、これまで沖縄本島、石垣島、宮古島のローテーションで行われてきた。同様のコンセプトの会議として、アメリカではキーストンシンポジウムが有名である。このシンポジウムはさまざまなライフサイエンスのテーマを対象に年間約50回開催されている。その目的は学術、産業、世界の保健分野にわたる基礎研究と臨床研究の橋渡しを行い、医療への影響を伴うトランスレーショナルな進歩を促進することである。ほとんどのカンファレンスはアメリカ西部とカナダ西部の山岳会場で開催され、良い環境のなかで相互交流が促進されるようにプログラムが作られている。日本骨免疫学会も程よい規模で、これまでに多くの研究者の活発な交流の場となっていて、いわば日本のキーストンシンポジウム的な会ともいえる。
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