特集 日常診療における感染防止対策
抗菌薬適正使用支援の現状と課題
山田 康一
1
1大阪市立大学大学院医学研究科臨床感染制御学 講師
キーワード:
抗菌薬適正使用支援 (AS)
,
抗菌薬適正使用支援チーム (AST)
,
モニタリングとフィードバック
,
事前承認
Keyword:
抗菌薬適正使用支援 (AS)
,
抗菌薬適正使用支援チーム (AST)
,
モニタリングとフィードバック
,
事前承認
pp.49-52
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.09_0049-0052
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近年,カルバペネム耐性腸内細菌科細菌 (carbapenem-resistant Enterobacteriaceae;CRE) や多剤耐性アシネトバクターなど新たな耐性菌が検出され,世界的に問題となっている。耐性菌の蔓延の要因としてヒトのみならず,動物に対しての抗菌薬の乱用が一因となっている。その一方で新規抗微生物薬の開発は十分に進んでおらず,上市される抗菌薬品目数は減少傾向にある。不適正な抗微生物薬の使用に対してこのまま対策を講じなければ,2050年には全世界で年間1,000万人が薬剤耐性菌により死亡することが推定されている。世界保健機関 (World Health Organization;WHO) は全世界に警鐘を鳴らし,AMR (antimicrobial resistance) グローバルアクションプランの作成を各国に求めた1)。日本もそれに応じる形で2016年4月に「AMR対策アクションプラン」が作成された2)。このなかで抗微生物薬の適正使用は医療従事者ならびに患者を含む全ての者が対応すべき最重要の分野となっている。また,2017年には適正使用支援のガイドラインとなる『抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス』3)が作成された。これらが主に各病院内での抗菌薬適正使用支援活動の推進に大きく関与していると考えられる。「KEY WORDS」抗菌薬適正使用支援 (AS),抗菌薬適正使用支援チーム (AST),モニタリングとフィードバック,事前承認
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