特集 高血圧を再考する:注目点とこれからの診療
水銀血圧計の廃止と高血圧診療
浅山 敬
1
1帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講師/東北大学大学院薬学研究科医薬開発構想客員准教授
キーワード:
水銀血圧計
,
水銀に関する水俣条約
,
自動血圧計
,
ハイブリッド血圧計
Keyword:
水銀血圧計
,
水銀に関する水俣条約
,
自動血圧計
,
ハイブリッド血圧計
pp.13-17
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.08_0013-0017
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「はじめに」水銀に関連する環境問題の高まりを受けて,「水銀に関する水俣条約」が2013年に批准された1)。本条約の発効により,2020年以降,水銀を使った機器の製造並びに輸出入が原則として禁止される。医療現場で用いられている「水銀血圧計」は100年以上の歴史をもち,医師が診察室で,おもむろに患者に腕帯を巻いてゴム球(送気球)を押し,少しずつ排気しながら水銀の液面を追っていく,という光景は医療の基本行為のようにも感じられる。しかし,水銀血圧計もまた,2020年以降は原則として製造・輸出入が認められなくなる機器である。後述のメンテナンスの問題などもあり,われわれは社会的にも科学的にも早晩,水銀血圧計から離れなければならないことになる。「KEY WORDS」水銀血圧計,水銀に関する水俣条約,自動血圧計,ハイブリッド血圧計
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