連載 子どもの心と体をはぐくむ 住まい空間・あそび空間・第16回
森に学ぶ
仙田 満
1
1環境建築家
pp.586-589
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.34433/ch.0000001300
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はじめ
子どもの自然体験が少なくなっていることに,多くの人々が危機感を抱いています。人類の発生は30万年前といわれていますが,現在まで,人類はその人生を森で狩猟の民として生活してきたはずです。そういう意味で,人類の遺伝子は森の民として生活した歴史に基づいて構成されてきたに違いありません。それが近年の子どもを取り巻く生活環境の変化によって,子どもは森に学ぶことによるさまざまな能力を失っているのかもしれません。最近,世界で200万部を越えるベストセラーとなったジョナサン・ハイトの『不安の世代』(草思社,2026)では「2010~2015年にかけて,アメリカの10代に起きたスマートフォン中心の子ども時代が出現し,遊び中心の子ども時代の終焉が決定的になった」と述べられています。そして,今,メンタルヘルスの悪化が指摘され,精神疾患,心理的苦痛,自殺も増えていることを指摘しています。その主要な原因がスマートフォンであると述べています。多くの子どもが外で,集団で遊ぶ時間を失い,スマートフォンに時間を奪われてしまっていることを示しています。

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