特集 外国人の子どもを支援する~SDGsの視点から~
企画の言葉
高橋 謙造
1
1鉄医会附属研究所
pp.909-909
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/ch.0000000704
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2024年初頭の段階では,2022年の統計が最新です。この統計によれば,日本全体の出生数は約77万人であり,そのうちの約1.98%となる15,271人は,少なくとも親の一方が外国人です。この子どもたちは,日本で育っていき,やがては日本を支える一員となっていく可能性があります。一方で,保健医療の現場をみてみると,外国人の親が外来に子どもを連れてくる場面は日常化しており,外来診療の場だけではなく入院施設や新生児医療の現場でも同様の事態が生じています。そこでは多言語対応だけではなく,その親が育ってきた文化環境への配慮も求められます。かつての日本の医療現場では,患者側が日本語を話し,理解することが当然のように求められてきました。しかし,最近では,多言語対応は当たり前のように求められるようになってきています。2015年以降,SDGsが認知されるようになって以来,多様性が重視されるようになり,異文化もより柔軟に受容していくべきという論調が主流になりつつあります。このような課題が明確化するなか,ITの発達に伴い,簡単な翻訳ツールなどはスマートフォンのアプリでも使えるようになってきています。
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