特集 患者指導、医師のこの一言が患者を変える
生活習慣の指導 禁煙
加濃 正人
1
,
三瓶 舞紀子
1祐和会大石クリニック 精神科
キーワード:
医師-患者関係
,
医療関係者の態度
,
患者教育
,
コミュニケーション
,
禁煙
,
タバコ依存
,
保健医療サービスに対する患者の態度
,
動機付け面接
,
喫煙防止
,
電子タバコ
,
禁煙補助薬
,
価値観
Keyword:
Attitude of Health Personnel
,
Smoking Cessation
,
Tobacco Use Disorder
,
Patient Acceptance of Health Care
,
Patient Education as Topic
,
Smoking Prevention
,
Smoking Cessation Agents
,
Physician-Patient Relations
,
Communication
,
Motivational Interviewing
,
Electronic Nicotine Delivery Systems
pp.1063-1069
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2023020837
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<Headline>1 喫煙者は禁煙したい動機と喫煙を続けたい動機を同時にもっていて、「禁煙を意図する発言」が引き出されれば引き出されるほど禁煙動機が優位に、「喫煙継続を意図する発言」が引き出されれば引き出されるほど喫煙継続の動機が優位になる。2 医師が患者から「禁煙を意図する発言」を引き出すためには、患者発言のなかにある禁煙願望の要素を選択または抽出し、その詳細や理由をたずねる質問をしたり、詳細や理由の仮説を照合する形で聞き返しを行ったりすることが有効である。3 「禁煙を意図する発言」の背景に存在する個人の価値観を明確化することによって、患者はより強く禁煙に動機づけられる。4 「喫煙継続を意図する発言」の根底にも生存欲求に基づいた健康的な価値観が存在するので、支援的な雰囲気のなかで行動との矛盾を探索することで、患者の禁煙動機は高まる。5 ニコチン離脱症状が顕著な例で禁煙補助薬がよい適用となるが、健康保険で禁煙補助薬を処方するためにはニコチン依存症管理料の算定を行う必要がある。
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