特集 血管炎の診断と治療:エッセンスと今後の展望
各種血管炎の診断・鑑別診断と治療 IgG4関連動脈周囲炎
水島 伊知郎
1
,
川野 充弘
1金沢大学附属病院 リウマチ・膠原病内科
キーワード:
バイオマーカー
,
C-Reactive Protein
,
IgG
,
Interleukin-6
,
Prednisolone
,
血液化学分析
,
MRI
,
鑑別診断
,
水腎症
,
X線CT
,
多発動脈炎-結節性
,
動脈瘤破裂
,
IgG4関連疾患
Keyword:
Blood Chemical Analysis
,
C-Reactive Protein
,
Diagnosis, Differential
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Hydronephrosis
,
Interleukin-6
,
Immunoglobulin G
,
Biomarkers
,
Aneurysm, Ruptured
,
Immunoglobulin G4-Related Disease
,
Polyarteritis Nodosa
,
Prednisolone
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.1435-1441
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021369525
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<Headline>1 IgG4関連疾患(IgG4-RD)の診断は、臨床像、血清所見、病理所見などを総合的に勘案して行う必要があり、一般にわが国の包括診断基準やACR/EULAR分類基準が用いられるが、動脈・後腹膜病変の特殊性を考慮した臓器特異的診断基準も提唱されている。2 IgG4関連動脈周囲炎の重篤な合併症として、罹患動脈の瘤化・破裂や尿路の巻き込みによる水腎症に十分な注意を払う必要がある。3 IgG4-RDの標準治療とされる副腎皮質ステロイド薬に対して、動脈周囲炎も概して良好に反応する一方で、動脈瘤破裂のリスクが増大する可能性も示唆されており、慎重な治療適応の判断と治療後の厳格な経過観察、瘤径が著しく増大した場合の速やかな外科との連携が求められる。
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