特集 最新の花粉症診療
最新の花粉症診療 花粉症治療の薬剤 抗体医薬
湯田 厚司
1
1ゆたクリニック
キーワード:
花粉症
,
Mepolizumab
,
Omalizumab
,
Benralizumab
,
Dupilumab
Keyword:
Omalizumab
,
Rhinitis, Allergic, Seasonal
,
Mepolizumab
,
Dupilumab
,
Benralizumab
pp.209-214
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021136973
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<Headline>1 重症季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)に対する抗体療法のオマリズマブが保険適用で治療可能となった。抗体治療薬は適正使用推進ガイドラインを遵守して治療を開始する。2 オマリズマブはIgEと複合体を形成し、アレルゲンを認識したIgE抗体が肥満細胞または好塩基球の細胞膜上のFcεRIと結合することを阻害し脱顆粒を抑制して、炎症性メディエーターの遊離を抑制する。3 投与前血清スギ花粉特異的IgE抗体がクラス3以上で、鼻噴霧用ステロイド薬およびケミカルメディエーター受容体拮抗薬による治療でも1週間以上の重症症状のある12歳以上のスギ花粉症が適用となる。4 オマリズマブの用法用量は、初回投与前の血清中総IgE濃度および体重により異なる。患者背景により高額な治療薬となるので、治療コストと期待される効果を考えて適正な患者選択をする。5 アレルギー性鼻炎以外に、気管支喘息などのアレルギー関連疾患に数種の抗体治療薬が発売されており、Th2サイトカインを標的とした抗体療法薬の開発も進んでいる。
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