特集 医療情報の利活用 現在と未来
I.医療情報の現状と問題 医療情報の利活用の現状と問題
藤井 進
1
,
坂野 哲平
,
矢作 尚久
1東北大学病院 メディカルITセンター
キーワード:
医療情報学
,
保健医療政策
,
地域社会ネットワーク
,
ファクトデータベース
,
ウェアラブル電子機器
,
パーソナルヘルスレコード
,
標準化
Keyword:
Medical Informatics
,
Databases, Factual
,
Health Policy
,
Wearable Electronic Devices
,
Reference Standards
,
Community Networks
,
Health Records, Personal
pp.1501-1513
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00642.2023018669
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▼わが国では医療情報の利活用を国策として推進しているが、必ずしもすすんでいる状況にない.▼すすまない理由の1つは狭義な医療情報を前提にした活用方法で臨床側の要求を満たしていない.▼広義の医療情報は電子カルテに限らず,診療において患者由来で発生するあらゆるデータである.▼有識者の中心が医療情報の専門家で,データ管理や精度の視点で規格化や標準化に注力してきた.▼今後は具体的な利活用を想定し,デジタル医療などを日常診療との共存も含め検討すべきである.▼それにはPHRがエッジとなり,国際標準で利便性のあるサービス機能を提供することが重要となる.▼また医療情報の利活用が新たなバイアスや医療過誤,社会課題とならないようにする必要がある.▼利活用の促進は従来診療の流れに囚われず,俯瞰的に全体解の最適化を導くことが重要である.
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