特集 基本理論に基づいた小児漢方診療
疾患別漢方治療 皮膚疾患 アトピー性皮膚炎を中心に
前嶋 啓孝
1
1しまクリニック皮膚科
キーワード:
漢方薬
,
皮膚炎-アトピー性
Keyword:
Drugs, Chinese Herbal
,
Dermatitis, Atopic
pp.41-46
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00642.2022057079
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▼アトピー性皮膚炎の診断のポイントは、痒みのある湿疹が、完解増悪を慢性的にくり返すことで、乳児では、頭、顔、首が、幼児期や学童期では、首、肘窩、膝窩が、湿疹の好発部位である。▼小児期は、成長発達段階の時期であり、その成長発達の力が病気を治す原動力にもなる。よって、攻める治療や強い作用の生薬の使用は必要最小限にとどめ、その力を十分に発揮できるような方剤の選択をすることを心掛けている。▼自験例103名の小児アトピー性皮膚炎患者さんに頻用した方剤は、脾への働きかけを重視した黄耆建中湯や皮膚への働きかけを考慮した十味敗毒湯、柴胡清肝湯、温清飲、治頭瘡一方などであり、有効性は高かった。
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